紙カルテ・電子カルテによる病名不記載について

当院では紙カルテ・電子カルテシステムで医師が病名を記入しないことが多く、医事課で病名記入・転帰記入をしています。

これに関して良いかどうか調べてみました。

病名不記載は法令違反?

そもそも、医師が診察した患者の病気を診断しないで済むものでしょうか。

保険医療機関及び保険医療養担当規則第8条(診療録の記載および整備)によると、

 

第八条  保険医療機関は、第二十二条の規定による診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない。

最終改正:平成二八年三月四日厚生労働省令第二七号より引用

と定めており、それを怠っている場合には法令違反ということになります。

医事課が病名記入・転帰記入してもいいの?

医事課が病名を付けることは法令違反ではないかと考えます。

①医師法第24条においても療養担当規則と同様の内容が記載されています。

第二十四条
医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。

最終改正:平成二六年六月一三日法律第六九号より引用

②医師法施行規則第23条

第二十三条
一 診療録の記載事項は、左の通りである。
二 診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢病名及び主要症状
三 治療方法(処方及び処置)
四 診療の年月日

最終改正:平成二八年九月一六日厚生労働省令第一四八号より引用

と記載ありますので、医事課が病名を記入することは望ましくないでしょう。

まとめ

医師の病名不記載・転帰記入は法令違反なので、医師にその旨を自覚させましょう。

 

 

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