看護必要度の要件・計算って?

基準とは、「重症度、医療・看護必要度に係る基準」のことをいい、看護必要度の評価に用いる各評価用に記載されています。当該入院料等を算定するすべての患者の中から、当該基準に該当する患者の割合を計算したものが「基準を満たす患者の割合」です。

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1.看護必要度の要件(一般病棟)

施設基準等の看護必要度の要件は以下のようになっています。

〇入院料等
一般病棟の7対1・10対1入院基本料を算定

一般病棟の13対1入院基本料を算定する病棟で、一般病棟看護必要度評価加算を算定

〇評価票
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票

〇評価方法
すべての患者を毎日評価

〇対象外の患者
産科患者
15歳未満の小児患者
短期滞在手術等基本料を算定している患者
0時から24時の間外泊している患者

一般病棟の「基準を満たす患者の割合」の計算

①・・・入院患者延べ数

算定期間中に頭蓋届出区分を算定している病床に入院している延べ患者数をいう。
下記1~4の対象患者は延べ患者数に含めないこと。

1、産科患者
2、15歳未満の小児の患者
3、短期滞在手術基本料を算定する患者
4、0時から24時の間外泊している患者

ただし、入院した日に退院(死亡退院を含む)した患者は含める。

②・・・①のうち重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の延べ数

①の患者の評価結果により次のいずれかの基準を満たす患者の延べ数(日数)
要件1「A項目が2点以上、かつB項目が3点以上」
要件2「A項目が3点以上」
要件3「C項目が1点以上」
3つの要件のどれかを満たせば割合にカウントできる。

 

 

 

③・・・重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の割合「②/①」

②の延べ数を①の延べ数で除した値を%(パーセント)で示す

[経過措置] 7対1入院基本料については、許可病床数が200症未満の保険医療機関であって、病棟郡単位による届出を行わない保険医療機関にあっては、平成30年3月31日までに限り、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者が23%以上であることとする。
〇看護必要度加算1
55点「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者が24%以上

〇看護必要度加算2
45点「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者が18%以上

〇看護必要度加算3
25点「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者が12%以上

厚生労働省より引用

対象外の患者について

1、産科患者

重症度、医療・看護必要度の評価における産科患者の定義は、「入院した診療科が産科である患者」
診断名や診療報酬請求の内容によって判断するものではありません。
診断名等にかかわらず、産科の患者であれば、産科の患者として入院しているすべての期間が評価の対象外。

2、15歳未満の小児患者

15歳未満の患者のすべてが対象外となります。小児科の患者か否かは無関係。
小児科の患者でも15歳以上の患者は評価の対象になります。
15歳未満の患者が入院途中で15歳に達した時は、その日から評価の対象になります。

3、短期滞在手術等基本料を算定する患者

入院料等として医科診療報酬点数表のA400(短期滞在手術等基本料)を算定した患者。

4、0時から24時の間外泊している患者

 

 まとめ

・短期滞在手術等基本料を算定する患者、0時から24時の間外泊している患者、産科患者、15歳未満の小児患者は評価の対象外であり、届出は対象外です。

・24時時点で在棟していない患者は届出の対象外ですが、入院当日に退院または死亡退院した患者は評価の対象となり、①②に含めます。

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