看護必要度 Hファイル A項目 無菌治療室での治療

「移植後、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者に対して、無菌治療室での治療が必要であると医師が判断し、無菌治療室での治療を6時間以上行った場合に評価する」と定義されています。

1)対象の患者

移植後、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者で「無菌治療室での治療が必要であると医師が判断した患者」が評価の対象となります。

無菌治療室での治療が必要ない患者は、評価の対象に含めないので注意。

2)対象の治療時間

無菌治療室での治療を6時間以上行った場合に評価の対象となる。

ただし、6時間未満の場合は評価の対象とならないので注意。

3)対象の無菌治療室

①場所

「無菌治療室とは、室内を無菌の状態に保つために十分な体制が整備されている必要があり、当該保険医療機関において自家発電装置を有していることと、滅菌水の供給が常時可能であること」と留意点に記載されています。注意すべき点・・・評価対象病棟外の無菌治療室での治療は評価の対象に含めません。

②個室、もしくは個室に準ずる

多床室であっても「患者一人で使用している」「簡易テントの設置等で個室に準ずる」の場合であれば、評価の対象に含めることが出来ます。

③空気清浄度

ISO基準「ISO14644-1:2015」クラス7以上の室内空気清浄度が条件となっており、クラス1から7までが評価の対象となる。

 

1963年、米国においてクリーンルームの空気清浄度規格として米国連邦規格(FED-STD-209)が初めて制定されました。その後、ISO14644-1の制定に伴い、2001年11 月、米国連邦規格は廃止されました。当時の米国連邦規格では、1立法フィート(1ft3)中の 0.5 μm の粒子数を規定しており、「クラス100」とは、1ft3中に0.5μmの粒子が100個以内であるという清浄度クラスになります。
1999年に国際統一規格 ISO14644-1が制定され、以降は1m3中の0.1μm以上の粒子数を規定するようになりました。
※1ft3=0.02832m3
2015年12月、第1版(ISO14644-1:1999)が廃止され、第2版(ISO 14644-1:2015)がリリースされました。ここでは、その主たる改正点をご紹介いたします。
清浄度クラス
清浄度クラスの区分について変更はありませんが、上限濃度が粒径に対して少ない(薄い)ものと粒径に対し多い(濃い)ものが削除されました。
具体的には、下表にもありますが 0.2μm(2個/m3)、0.5μm(4個/m3)、1.0μm(8個/m3)、5.0μm(29個/m3)の4粒径の最少濃度が削除されています。

ベックマン・コールター株式会社より引用

 

 

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