Hファイル作成対象入院料決定になりましたね。
一般病棟入院基本料は看護必要度の割合によって入院料が変動されますね。ここはきちんと評価して、入力漏れや過剰過少しないようにチェックしていきたいですね。
以下入院料に対しHファイルが必須になります。
・一般病棟入院基本料(急性期一般入院基本料のみ)
・7対1特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
・10対1特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
・7対1専門病院入院基本料
・10対1専門病院入院基本料
・救命救急入院料
・特定集中治療室管理料
・ハイケアユニット入院医療管理料
・脳卒中ケアユニット入院医療管理料
・地域包括ケア病棟入院料(医療管理料も含む)
目次
- 1 重症度、医療・看護必要度に係る評価票の判定対象:(TAR0010)
- 2 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ「A モニタリング及び処置等」
- 3 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ・Ⅱ「B 患者の状況等」
- 4 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ「C 手術等の医学的状況」
- 5 特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「A モニタリング及び処置等」
- 6 特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「B 患者の状況等」
- 7 ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「A モニタリング及び処置等」
- 8 ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「B 患者の状況等」
- 9 看護必要度Ⅱを選択したい場合は?
- 10 まとめ
重症度、医療・看護必要度に係る評価票の判定対象:(TAR0010)
H ファイル作成対象入院料を届出ている病床に入院した全患者について作成必須とする。
① 看護必要度判定対象
当該実施日に該当するものを下記表から選び入力する。複数該当する場合は値の小さいものを優先する。DPC 対象病院については、当項目に限り短期滞在手術等基本料を算定できると仮定して入力すること。
値 内容
0 重症度、医療・看護必要度判定対象
1 短期滞在手術等基本料算定症例
2 年齢が 15 歳未満
3 産科の患者
ざっくり言うと、
全患者に対し、判定対象患者なら【0】と入力する。年齢が15歳未満なら【2】と入力するのか。
短期滞在で年齢が13歳だったら、【1】と入力する。これは、値の小さいものを優先しないといけないので、2ではなくて1と入力しましょう。(ん、これって様式1とEFファイルで分かるんじゃないのかな・・・なんてことをしてくれたんだ!笑)
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ「A モニタリング及び処置等」
前回と変更なしですね。
- 創傷処置(①創傷の処置(褥瘡の処置を除く)、②褥瘡の処置)
- 呼吸ケア(喀痰吸引のみの場合を除く)
- 点滴ライン同時3本以上の管理
- 心電図モニターの管理
- シリンジポンプの管理
- 輸血や血液製剤の管理
- 専門的な治療・処置(① 抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)、② 抗悪性腫瘍剤の内服の管理、③ 麻薬の使用(注射剤のみ)、④ 麻薬の内服、貼付、坐剤の管理、⑤ 放射線治療、⑥免疫抑制剤の管理、⑦ 昇圧剤の使用(注射剤のみ)、⑧ 抗不整脈剤の使用(注射剤のみ)、⑨ 抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用、⑩ ドレナージの管理、⑪無菌治療室での治療)
- 救急搬送後の入院
作成対象入院料
重症度、医療・看護必要度Ⅰを用いた評価により届け出ている病床に入院している患者
- 一般病棟入院基本料(急性期一般入院基本料のみ)
- 7 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 10 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 7 対 1 専門病院入院基本料
- 10 対 1 専門病院入院基本料
- 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
- 地域包括ケア病棟入院料(医療管理料も含む)
作成しなくていい患者
- 産科患者
- 15 歳未満の小児患者
- 短期滞在手術等基本料を算定する患者
ざっくり言うと、
A項目は、看護必要度評価票Ⅰのみ作成するのか。
ⅡだとEFファイルがあるから作成しなくてもいいんだなー。入力する手間が省いていいですね。(どっかで落とし穴がありそうな気がするのは僕だけ・・・?笑)
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ・Ⅱ「B 患者の状況等」
これも、変更なしです。
- 寝返り
- 移乗
- 口腔清潔
- 食事摂取
- 衣服の着脱
- 診療・療養上の指示が通じる
- 危険行動
作成対象入院料
重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡを用いた評価により届け出ている病床に入院している患者
- 一般病棟入院基本料(急性期一般入院基本料のみ)
- 7 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 10 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 7 対 1 専門病院入院基本料
- 10 対 1 専門病院入院基本料
- 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
作成しなくていい患者
- 産科患者
- 15 歳未満の小児患者
- 短期滞在手術等基本料を算定する患者
ざっくり言うと、
Ⅰ、ⅡはB項目必須になります。EFファイルに患者の情報が入っていないから作成してねってことか。
A項目と違って、地域包括ケア病棟入院料(医療管理料も含む)はB項目要らないですね。
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票Ⅰ「C 手術等の医学的状況」
項目変更ありですね。開腹手術が5日間→4日間へ変更となりました。
- 開頭手術(7日間)
- 開胸手術(7日間)
- 開腹手術(4日間)
- 骨の手術(5日間)
- 胸腔鏡・腹腔鏡手術(3日間)
- 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(2日間)
- 救命等に係る内科的治療(2日間)(①経皮的血管内治療、②経皮的心筋焼灼等の治療、③侵襲的な消化器治療)
作成対象入院料
重症度、医療・看護必要度Ⅰを用いた評価により届け出ている病床に入院している患者
- 一般病棟入院基本料(急性期一般入院基本料のみ)
- 7 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 10 対 1 特定機能病院入院基本料(一般病棟のみ)
- 7 対 1 専門病院入院基本料
- 10 対 1 専門病院入院基本料
- 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
- 地域包括ケア病棟入院料(医療管理料も含む)
作成しなくていい患者
- 産科患者
- 15 歳未満の小児患者
- 短期滞在手術等基本料を算定する患者
ざっくり言うと、
作成対象入院料がA項目と全く同じ。これもⅠのみ必須になります。ⅡはEFファイルがあるので、省略扱いになりますね。
特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「A モニタリング及び処置等」
項目変更ありですね。人工呼吸器の管理になってます。
- 心電図モニターの管理
- 輸液ポンプの管理
- 動脈圧測定(動脈ライン)
- シリンジポンプの管理
- 中心静脈圧測定(中心静脈ライン)
- 人工呼吸器の管理
- 輸血や血液製剤の管理
- 肺動脈圧測定(スワンガンツカテーテル)
- 特殊な治療法等(CHDF、IABP、PCPS、補助人工心臓、ICP 測定、ECMO)
作成対象入院料
救命救急入院料又は特定集中治療室管理料を届け出ている治療室に入室している患者
作成しなくていい患者
短期滞在手術等基本料を算定する患者
特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「B 患者の状況等」
前回と変更なしです。
- 寝返り
- 移乗
- 口腔清潔
- 食事摂取
- 衣服の着脱
- 診療・療養上の指示が通じる
- 危険行動
作成対象入院料
救命救急入院料又は特定集中治療室管理料を届け出ている治療室に入室している患者
作成しなくていい患者
短期滞在手術等基本料を算定する患者
ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「A モニタリング及び処置等」
項目変更あり。人工呼吸器の管理となっています。
- 創傷処置(①創傷の処置(褥瘡の処置を除く)、②褥瘡の処置)
- 蘇生術の施行
- 呼吸ケア(喀痰吸引のみの場合及び人工呼吸器の装着の場合を除く)
- 点滴ライン同時3本以上の管理
- 心電図モニターの管理
- 輸液ポンプの管理
- 動脈圧測定(動脈ライン)
- シリンジポンプの管理
- 中心静脈圧測定(中心静脈ライン)
- 人工呼吸器の管理
- 輸血や血液製剤の管理
- 肺動脈圧測定(スワンガンツカテーテル)
- 特殊な治療法等(CHDF、IABP、PCPS、補助人工心臓、ICP 測定、ECMO)
作成対象入院料
ハイケアユニット入院医療管理料を届け出ている治療室に入室している患者
作成しなくていい患者
短期滞在手術等基本料を算定する患者
ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票「B 患者の状況等」
前回と変更なし。
- 寝返り
- 移乗
- 口腔清潔
- 食事摂取
- 衣服の着脱
- 診療・療養上の指示が通じる
- 危険行動
作成対象入院料
ハイケアユニット入院医療管理料を届け出ている治療室に入室している患者
作成しなくていい患者
短期滞在手術等基本料を算定する患者
看護必要度Ⅱを選択したい場合は?
重症患者割合については、
- 【看護必要度Ⅰ】「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)評価票に基づく計算方法
- 【看護必要度II】EF統合ファイルデータに基づく計算方法のいずれかで計算します。
どっちかを選択するかは各病院の判断。看護必要度IIを選択できる病院は、「看護必要度IIの重症患者割合」-「看護必要度Iの重症患者割合」が0.04(4%)以下であること。
例えば、A病院では、看護必要度Iで29%、看護必要度IIで25%であった場合、「25-29」=マイナス4%(マイナス0.04)となるため、この病院では看護必要度IIを選択できます。
また、他の病院の重症患者割合が看護必要度Iで26%、看護必要度IIで31%であった場合、「31-26」=5%(0.05)となるため、この病院では看護必要度IIを選択することはできません。
とコメントあり。
推察ですが、「看護必要度IIの重症患者割合のほうが、看護必要度Iの重症患者割合よりも低い」という病院が多いかも。多くの病院は看護必要度IIを選択できることになるでしょう。
なお、看護必要度Iと看護必要度IIの選択は、年2回(4月か10月)となり、各病院で半年毎に切り替えることが可能。
注意;切り替えたい場合は月の10日までに変更届出を行うこと。
まとめ
一般病棟入院基本料は、Ⅰだと全部(A・B・C項目)入力しないといけないですね。ⅡはB項目だけでOKです。Ⅱの方が入力する手間が省くなるというメリットがいいですね。ちなみに当院はⅡで行くことになりそうです。