入院医療を担う医療機関の機能や役割を適切に分析・評価するため、診療実績データの提出に係る要件を、現行の一般病棟入院基本料及び地域包括ケア病棟入院料以外の他の入院料に拡大するとともに、必要な見直し等を行う。
データ提出に係る要件拡大
回復期リハビリテーション病棟入院料1、2、3、4
(現行【回復期リハビリテーション病棟入院料1、2】)
[施設基準]
データ提出加算に係る届出を行った保険医療機関であること。
療養病棟入院料1、2
回復期リハビリテーション病棟入院料5、6
(現行【療養病棟入院基本料1、回復期リハビリテーション病棟入院料3】)
[施設基準]
許可病床 200 床以上の病院にあっては、データ提出加算に係る届出を行った保険医療機関であること。
急性期一般入院料4~7
特定機能病院入院基本料(一般病棟 10 対 1)
専門病院入院基本料(10 対 1)
(現行【一般病棟入院基本料(10 対 1)、特定機能病院入院基本料(一般病棟 10 対1)、専門病院入院基本料(10 対 1)】)
[施設基準]
データ提出加算に係る届出を行った保険医療機関であること。
経過措置
- 平成30年3月31日時点で、10対1入院基本料(一般、特定、専門:許可病床数が200床未満に限る。)、療養病棟入院基本料1・2、回復期リハビリテーション病棟入院料を届け出ている病棟又は病室については、平成31年3月31日(許可病床数が50未満又は病棟数が1病棟の場合は平成32年3月31日)までの間、各入院料のデータ提出加算に係る要件を満たしているものとする。(追記;平成30年3月7日)
- 平成30年3月31日時点で、データ提出加算の「200床未満」の区分の届出を行っている保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院に限る。)については、平成31年3月31日までの間、引き続き「200床未満」の区分を算定できるものとする。(追記;平成30年3月7日)
【新設】提出データ評価加算
一定の質が確保されたデータを提出する医療機関について評価を行う。
<算定条件>
提出するデータ(様式1)及び診療報酬明細書に記載される傷病名について、未コード化傷病名の割合が 10%未満の医療機関の場合は、提出データ評価加算を算定することが出来る可能性あり。
下図 平成29年度「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料P58より
未コード化傷病名?
・未コード化傷病名は、本来傷病名マスターに収載されていない傷病名について用いられるものである。いわゆる応急処置として使用することを目的に設置しているものです。
・傷病名マスターに収載されていない病名を記録する場合は、未コード化傷病名(傷病名コード「0000999」**未コード化傷病名**)を使用して、病名をワープロ入力。(ワープロ病名)
例えば、ワープロ入力で尿管ステント留置術後状態と入力。傷病名マスターに収載されていないので傷病名コードが0000999→未コード化傷病名
傷病名マスタは、年4回(1月、3月、6月、10月)定期的に更新しています。これは、新規医薬品の適応や医療関係者から寄せられた新規病名の追加・要望を受け、追加・修正などを行っている。
現在、約25,000語の傷病名コード(H29.12)収載。
あるところによると、胸椎(ZZZ1610)+骨折(8290015)という組み合わせも、未コード化傷病名になるかもしれないという情報もあります。
しかし、未コード化傷病名の範囲がどこまでなのか情報が出ていないので、頭の片隅に入れておくといいかもしれません。(H30.1.27現在)
追記 提出データ評価加算について(2018/03/05 現在)
提出データ評価加算を算定する場合は、当該加算を算定する月の前々月において、調査実施説明資料に定められた様式1において入力されるレセプト電算処理用の傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名のコード(レセプト電算処理用の傷病名コード:0000999)の割合、
外来EFファイルに入力される傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名の割合、
医科の全ての診療報酬明細書に記載された傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名の割合がそれぞれ1割未満であって、当該保険医療機関において、その結果を記録し保存している場合に、データ提出加算2を算定する医療機関において算定できる。
提出データ評価加算は、遅延等が認められ、データ提出加算を算定できない月がある場合、データ提出加算を算定できない月から6か月間、当該加算を算定できない。
例えば、4月 22 日に提出すべきデータが遅延等と認められ、6月にデータ提出加算を算定できない場合、当該加算は6月から 11 月までの6か月間算定できない。厚生労働省より引用
ざっくり言うと、
・データ提出加算2の届け出を行っていること。
・DPCデータの様式1及び外来EFファイル、及び診療報酬明細書のそれぞれに記載された傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名(レセプト電算処理用コード:0000999)の割合が全て1割未満であること。
・データ提出を行う過去6か月の間に遅延等がないこと。
経過措置
外来EFファイルにおける未コード化傷病名の割合の要件については、平成31年3月分のデータまでの期間に限り、当該基準を満たしているものとする。(追記;平成30年3月7日)
第2 具体的な内容
1.病棟の施設基準に係るデータ提出加算の取扱いについて以下のように見直す。
(1)
現行の回復期リハビリテーション病棟入院料1、2
回復期リハビリテーション病棟入院料3(200 床未満を除く。)
療養病棟入院基本料(200 床未満を除く。)及び 10 対1一般病棟について、
入院料の算定要件にデータ提出を追加する。
(2)
対象病棟の拡大を踏まえ、主として急性期入院医療の評価のみに使用する項目の提出は任意とする一方で、回復期リハビリテーションや長期療養の評価に資する項目の提出を求める。また、回復期リハビリテーション病棟入院料の要件について、重複を整理する観点から合理化する。
(3)
一般病床から療養病床等にデータ提出の対象が広がることを踏まえ、データ提出加算の要件について、一般病床の病床数ではなく、許可病床の病床数となるよう見直す。
【データ提出加算】
1 データ提出加算1
イ 許可病床 200 床以上の病院の場合 150点
ロ 許可病床 200 床未満の病院の場合 200点
2 データ提出加算2
イ 許可病床 200 床以上の病院の場合 160点
ロ 許可病床 200 床未満の病院の場合 210点
新設(提出データ評価加算)20点
(注 未コード化傷病名の使用割合が10%未満の場合)
A245 の1のロ又は2のロの規定については、平成○年○月○日において
これらの規定に基づく届出を行っている保険医療機関(許可病床数が 200床以上の病院に限る。)については、平成○年○月○日までの間に限り、なお従前の通りとする。
まとめ
要件拡大によって診療情報管理士の重要性が高まってきていることがうかがえます。
新設された提出データ評価加算を算定出来るよう、未コード化傷病名の割合10%以下を目指しましょう!診療情報管理士としてより適切なコーディングが要求されます。