医師事務作業補助者の業務内容って?医師の質向上に資する事務作業。

この業務は幅が広く、時間を要するもの、継続性のあるものが多数あります。
この業務を医師が行っていくことは、医師の疲弊を招く理由にもなり得ます。

また、医師でなくても対応可能な業務が多いのもこの分類です。

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《どんな業務なの?》

医師の質の向上に資する事務作業には、

  • 院内、全国がん登録
  • NCD、JACVSD
  • 診療に関するデータの抽出や入力
  • 学会等に使用する資料の作成
  • 会議やカンファレンスの資料作成や準備
  • 論文検索、投稿論文のチェック、英語論文の翻訳

などがあります。

《がん登録って??》

平成25年12月に「がん登録等の推進に関する法律」が成立されました。

この法律は、全国がん登録の実施やこれらの情報の利用及び提供、保護等について定めるとともに、院内がん登録等の推進に関する事項等が定めており、平成28年1月1日から施行されました。

  • 院内がん登録:病院において、がん医療の状況を的確に把握するため、がんの罹患、診療、転帰等に関する情報を記録し、保存する。
  • 全国がん登録:国、都道府県による利用、提供の用に共するため、国が国内におけるがんの罹患、診療、転帰等に関する情報をデータベースに記録し、保存する。

 

院内がん登録については、がん診療連携拠点病院等が対象で、全国がん登録は病院及び都道府県に指定された診療所になります。
病院には例外なく届出義務があります。

《NCDって??》

National Clinical Datebaseの略で、臨床現場の医療情報を体系的に把握し、医療の質の向上に資する分析を行うことで、最善の医療を提供し、適正な医療水準を維持することを目的とされています。行った手術の内容を登録していくことによって、集められたデータが分析され以下のことが明らかになります。

  • 手術を行っている施設診療科の特徴
  • 医療水準の評価
  • 適正な専門医のありかた
  • 特定条件、特定手術における予後情報

 

以上のようなことが明らかになりますが、大体の病院でこのNCDと関係しているのは、
適正な専門医のありかたに関係する部分だと思います。

《NCDと専門医の関係って??》

病院の待合室等に「○○専門医取得」と書かれたものを目にしたことがあると思います。
これは、それぞれの学会の申請条件に該当した医師が取得できる資格のようなものです。

ざっくりいうと、この分野得意だぜ!勉強してるぜ!って感じです。

この申請条件は、学会で様々ではありますが、書類審査では学会参加の回数(単位取得)や診療実績、外科関連ではある条件の手術件数等が条件となってきます。

書類審査後は、筆記試験や面接がある学会もあります。

また、内科専門医や外科専門医といった基礎となる専門医をもっていないと申請できないものもあります。そして、1回取得できたからといってそのままというわけではなく5年毎の更新性となっていたりします。

 

その手術件数なので、外科を専門にしている先生にとっては、NCDとは切っても切れない存在なのです。

《まとめ》

直接診療に関わる部分ではないですが、医療の進歩や先生達の専門性を高めたりすることができる大切な業務です。

また、医師事務作業補助さんにとっても専門性が求められる業務となるのでのめり込んでしまうと抜けられなくなるかもしれませんね。

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