評価対象となる創傷
①皮膚の破綻
創傷とは、皮膚又は粘膜が破綻をきたした状態と記載されているため、皮膚又は粘膜が破綻していれば評価対象。
例)表皮が剥離→皮膚の破綻なので評価対象となる。
皮膚の発赤、湿疹や腫れは評価対象ではない。
*びらんや滲出液があれば、皮膚の破綻とみなし、評価対象する。
破綻していない水泡は評価対象ではない。水泡が破綻した場合は評価対象する。
②粘膜の破綻
鼻、口腔、膣及び肛門の粘膜であって、外部から粘膜が破綻をきたしている状態であることが目視できる場合であれば評価対象。
肛門鏡等を使わず、粘膜の破綻が外部から目視できる場合に限る。
肛門鏡等の道具を用いて目視する場合は、評価対象にならない。
創傷って?
創傷には、切創、裂創、擦過創、穿刺創等があり、すべての創傷が評価の対象に含まれる。
穿刺創・・・縫合が伴わなければ評価対象ではない。
*CVC(中心静脈カテーテル)の縫合を伴う穿刺創は評価対象する。他にもドレーン等も含む。
縫合創・・・縫合創は創傷処置の対象に含める。気管切開口、胃瘻及びストーマ等については、造設から抜糸までを含む。抜糸後は、滲出液がみられ処置を必要とする場合も含む。
処置
創傷の治癒を促し感染を予防する目的で行われた処置。
洗浄、消毒、止血、薬剤の注入及び塗布、ガーゼやフィルム材等の創傷被覆材の貼付や交換等の処置のどれか一つでも行っていれば、評価対象。
例)水泡が破綻していて、消毒をしていれば評価対象。
含めない処置・・・診察、観察だけの場合やガーゼを剝がすだけの場合は評価対象にならない。陰圧閉鎖療法、眼科手術後の点眼及び排泄物の処理に関するストーマ処置も評価対象にならない。
パウチ交換、ストーマパック交換等は評価対象にならない。
評価対象となる褥瘡処置
NPURA分類Ⅱ度(ステージⅡ)以上またはDESIGN-R分類d2以上の状態
注意:この状態に達していないものは、褥瘡処置の対象に含めない。
当院ではDESIGN-R分類を使用しているので、これについてまとめてみました。
・DESIGN-R分類「褥瘡の予防・治療ガイドライン」→日本
d0 皮膚損傷・発赤なし
d1持続する発赤
d2真皮までの損傷
d3皮下組織までの損傷
d4皮下組織を超える損傷
d5関節腔・体腔に至る損傷
U深さ判定が不能な場合
評価対象の処置(褥瘡)
創傷の処置と同じ「洗浄、消毒、止血、薬剤の注入及び塗布、ガーゼやフィルム材等の創傷被覆材の貼付や交換等の処置のどれか一つでも行っていれば、評価対象。」
まとめ
・皮膚の破綻(爪・毛等以外)
・粘膜の破綻・・・鼻、口腔、膣、肛門
・穿刺創・・・縫合伴う穿刺創の場合は評価対象する。
・縫合創・・・抜糸するまで評価する。
・処置の内容・・・洗浄・消毒・止血・薬剤の注入及び塗布・創傷被覆材の貼付や交換等
・評価対象外・・・診察、観察だけ・ガーゼを剥がすだけ・陰圧閉鎖療法・眼科手術後の点眼・排泄物の処理に関するストーマ処置
・褥瘡処置評価対象・・・NPURA分類Ⅱ度(ステージⅡ)以上またはDESIGN-R分類d2以上の状態をいう。