2018年4月から性別不適合手術の保険適用になったという改定通知をみて、衝撃を受けた。
性別不適合手術って、海外で手術を受けるという強いイメージがあったんですよ。それが保険適用になって日本で受けられるようになるのかー。びっくりしました。
性同一障害は、こころの病気なのに保険適用がないっておかしいなって思ってたんですよね。
また、WHO(世界保健機関)が認めている病気です。
WHO(世界保健機関) ICD-10によると、
F64 性同一性障害
F64.0
性転換症 異性の一員として生活し受け入れられたいという願望。通常は、自身の解剖学的な性に対する不快感または不適切感を伴い、自分の身体をできるだけ自分の好む性に合わせるために外科的治療やホルモン療法を望む。
突然ですが、MTFとFTMって聞いたことありますか?今回の改定通知で初めて知りました。
FtM と MtF
生物学的性別が女性で、性の自己意識が男性である事例を「FtM」(エフティーエム、Female-to-Male)、生物学的性別が男性で、性の自己意識が女性である事例を「MtF」(エムティーエフ、Male-to-Female)と表記する用語がある。ウィキペディアより引用
なるほど、
FtMは、女だけど心は男。
MtFは、男だけど心は女。
全国の推計患者数4万6000人
厚生省労働省の調査(2011年)では、国内の患者数は約4000人と推計されていましたが、その後、北海道文教大が行った調査があります。それによれば、札幌市内では、約2800人に1人と推計され、地域や生年で発症率変わらないと考えられるので、これを国内の総人口あてはめた結果、約4万6000人の患者がいると推計されています。厚労省のデータと10倍近い差がありますが、医療関係者は、文教大の推計は、現場の実感に近いと指摘しています。
さて、本題に移ります。
保険適用の内容
性同一性障害者に対する性別適合手術について、性同一性障害に関する診断と治療のガイドラインに基づき、一定の基準を満たす施設において施行される場合に限って、保険適用とする。
施設基準ちょっと厳しいですね。施設基準をクリアする病院少なさそうですね。
手術の点数、金額などを調べてみた。
MTFに対する手術
全部で5つあります。
- K830 精巣摘出術 2,770点
- K825 陰茎全摘術 16,630点
- K818 尿道形成手術
1 前部尿道 17,030点
2 後部尿道 37,700点 - K851 会陰形成手術
1 筋層に及ばないもの 2,330点
2 筋層に及ぶもの 6,910点 - K859 造腟術、腟閉鎖症術
1 拡張器利用によるもの 2,130点
2 遊離植皮によるもの 18,810点
3 腟断端挙上によるもの 28,210点
4 腸管形成によるもの 47,040点
5 筋皮弁移植によるもの 55,810点
K859-2 腹腔鏡下造腟術 38,690点
1~5を全部受けるとして119,820点(3・4・5はそれぞれ高い方の点数を計算)
金額にすると、1,198,200円。(手術代だけね)
保険適用(3割負担)にすると、359,460円。
1ヶ月間入院するとして、ざっくりだけど600,000円。
高額療養費を申請すれば更に安くなると思います。(40万円あれば足りるかな。)
FTMに対する手術
これも全部で5つあります。
- K877 子宮全摘術28,210点K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術42,050点
- K888 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)
1 開腹によるもの15,720点
2 腹腔鏡によるもの25,940点 - K819 尿道下裂形成手術 33,790点
- K819-2 陰茎形成術 52,710点
- K475 乳房切除術 6,040点
全部受けるとしたら、188,740点。
金額にすると、1,887,400円。(手術代のみ)
3割負担で566,220円。
こちらは1ヶ月間入院するとして、ざっくりで800,000円。
高額療養費を申請すれば更に安くなると思います。(これも40万円あれば足りるかな。)
まとめ
性同一障害の性別適合手術保険適用に。
MTFは男だけど心は女、FTMは女だけど心は男。
全国で4万6000人が性同一障害推計患者数。