看護必要度 Hファイル B項目【移乗】

移乗時の介助の状況を評価する項目である。

1.評価対象になる危険行動

移乗とはベッドから車椅子へ、車椅子からベッドへ、ベッドからストレッチャーへ、ベッドからポータブルトイレへ等、乗り移ることであると記載されています。

つまり、ここでいう移乗とは、乗ることのできる何かから乗ることのできる何かへ歩行を介さず直接的に乗り移る行為のことをいいます。

選択肢の判断基準

介助なし・・・介助なしで移乗できる場合をいう。這って動いても、移乗が1人でできる場合も含む。
*家族が全面的に介助をして移乗を行った場合は介助なし(評価対象ではない看護補助者が行った場合は介助の実施者としての評価対象に含まれないので注意。)

一部介助・・・患者の心身の状態等の理由から、事故等がないように見守る場合、あるいは1人では移乗ができないため他者が手を添える、体幹を支える等の一部介助が行われている場合をいう。

全介助・・・1人では移乗が全くできないために、他者が抱える、運ぶ等の全面的に介助が行われている場合をいう。
ストレッチャーへの移乗は、複数名で行うことが多いかと思いますが、例えば作業療法士と看護補助者の2名ですべての移乗行為を介助した場合は「全介助」の評価対象。

 

判断に際しての留意点

患者が一人では動けず、スライド式の移乗用補助具を使用する場合は「全介助」。
医師の指示により、自力での移乗を制限されていた場合は「全介助」
車椅子等への移乗の際に、立つ、向きを変える、数歩動く等に対して、患者自身も行い看護職員等が介助を行っている場合は「一部介助」
移乗が制限されていないにもかかわらず、看護職員等が移乗を行わなかった場合は「介助なし」

 

 

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