現在、DPCデータを提出している病院が全国に現在どのくらいあるのだろうか。そのうちDPC対象病院がどのくらい出していて、出来高病院はどのくらい出しているんだろうか。
中医協「主な施設基準の届出状況より」、H28年7月時点で、3,255の病院がDPCデータの作成と提出を行っているということが分かった。
そこで、DPC対象病院と出来高病院の数を調査してみた。
目次
DPC対象病院と出来高病院のDPCデータ提出推移
3,255病院のうち、DPC/PDPS制度に加入している「DPC対象病院」の数は1,644病院。
残りの半数が出来高病院でその数は1,591病院と占めている。(H28年7月時点)
出来高病院がこんなに多くデータ提出をしているとは。
おどろきです。
過去にさかのぼると、
H27年7月時点では、
3,020病院のうち、DPC対象病院の数は1,667病院。
出来高病院が1,353病院と占めている。
H26年7月時点では、
1,796病院のうち、DPC対象病院の数は1,580病院。
出来高病院が216病院と占めている。
H25年7月時点では、
1,769病院のうち、DPC対象病院の数は1,585病院。
出来高病院が184病院と占めている。
これをまとめてみたら、
出来高病院のデータ提出
H26年7月→H27年7月の推移が約6倍の結果に。
なぜ、出来高病院がDPCデータ提出増加になったの?
出来高病院がDPCデータ提出増加になった原因は、H26年度以降の診療報酬改定が関係しているのではないかと推察される。
H26年度以降、DPCデータの提出が一部の病棟に「義務化」されたのが大きいと思う。
一部の病棟に義務化って?
・7対1一般病棟
・10対1一般病棟(10対1については一般病床200床以上の病院が対象)
・地域包括ケア病棟
を届けている病院についてDPCデータの提出が義務化された。
H30年度の改定でも、
「療養病棟」
「回復期リハビリテーション病棟」
を有する病院についても、DPCデータの提出を義務化する方向性が示されている。
まとめ
義務化に伴いデータ提出をする出来高病院が増えてきたということが分かりました。
また、H30年度でも義務化病棟が追加になる可能性が高く、更に増えてくるのが見えてきます。ますます診療情報管理士が重要になりつつあります。
「DPC/PDPS」について
DPCとは、Diagnosis Procedure Combination の略語であり、
Diagnosis 診断
Procedure 処置(手術、検査等)
Combination 組み合わせ
という意味。
PDPSとは、Per-Diem Payment System (1日当たり包括支払い制度)
Per-Diem 1日当たり
Payment System 支払い制度
である。
DPCという呼称については、
① 診断群分類に基づく1日当たり定額報酬算定制度
② 患者分類としての診断群分類
本来DPC(Diagnosis Procedure Combination)は②の意味で作られた略称で
あり、①を意味する場合とが混在し、両者の使い分けを明確にするべきという
指摘があったことを踏まえ、支払制度としてのDPC制度の略称については
DPC/PDPS (Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)と
することで平成22年12月16日のDPC評価分科会において整理された。