看護必要度 Hファイル A項目 ドレナージの管理

「排液、減圧の目的として、患者の創部や体腔にドレーンを継続的に留置し、滲出液や血液等を直接的に体外に誘導し、排液バッグ等に貯留する状況を看護職員が管理した場合に評価する」と定義されている。

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1)留置目的

排液か減圧の目的でドレーンを留置している場合のみ評価の対象。

胃瘻(PEG)を減圧目的で開放する場合であっても、定義に従っていれば評価の対象となる。
*排液と減圧以外の目的の場合は評価×

 

2)留置場所

創部や体腔にドレーンを留置する場合について評価の対象となる。

・脳・脊椎・・・脳室、脊椎ドレーン等
・胸腔内・・・胸腔ドレーン等
・腹腔内・・・横隔膜下ドレーン等
・肝・胆・膵・・・膵管チューブ等
・消化管・・・イレウス管等
・創部・・・創部ドレーン等
・腎・尿管・・・腎盂カテーテル等

 

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3)誘導方法

滲出液や血液等を直接的に体外に誘導」する場合に評価の対象となる。
滲出液や血液等には、滲出液、血液以外にも、体液、ガス、血尿等が含まれる。

体外へ直接誘導する場合のみ評価し、体外で側副路を通す場合は含めない。また、腹膜透析や血液透析は含めない。

排尿や排便だけを目的の場合は評価しない。
ただし、経尿道的な膀胱留置カテーテルは含めないが、血尿がある場合は、血尿の状況を管理する場合に限り評価できる。

陰圧閉鎖療法は、創部に誘導管(パッドが連結されている場合を含む)を留置して、定義に従った処置をしている場合は含める。

 

4)貯留方法

体外に誘導した滲出液や血液等を「排液バッグ等」に貯留する場合に評価の対象となる。

 

5)留置時間

留意点によると、「2日間以上にまたがって継続的に留置されていて、評価日当日に当該病棟で6時間以上の管理をしている」場合に評価の対象となる。

例:ドレーンを当日に設置して、当日に抜去した場合は、評価×

定義に基づき誘導管が目的に従って継続的に留置されている場合に含めるものであるが、抜去や移動等の目的で、一時的であればクランプしていても良いものとする。

 

6)管理方法

当該病棟の看護職員によって実施された管理が評価の対象となる。

手術室や他病棟等の当該病棟以外で留置されている場合、その留置時間は評価の対象に含めない。

手術室等、当該病棟以外でドレーンの留置を行った後、当該病棟に移動して引き続き留置・管理を行った場合は、当該病棟で行われた留置時間や当該管理の状況で判断する。

 

2.根拠となる記録

留置目的、留置場所、誘導方法、貯留方法、留置時間、管理方法に従っていることがわかる記録が望ましい。

留置の状況(クランプされていない等)と留置時間がわかる記録も望ましい。

 

まとめ

・胃瘻(PEG)を減圧(排液と減圧)目的は、評価の対象となる。 排尿や排便だけを目的の場合は評価しない。

・2日間以上にまたがって継続的に留置されていて、評価日当日に当該病棟で6時間以上の管理をしている。場合は評価になる。
ドレーンを当日に設置して、当日に抜去した場合は評価しない!

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