「ショック状態、低血圧状態、循環虚脱の患者に対して、血圧を上昇させる目的で昇圧剤を使用した場合に評価する」と定義されている。
3つの基本条件
①薬剤
②患者の状態
③投与の目的
①薬剤
昇圧剤であればその種類は問わないが、注射剤のみが評価の対象。
*昇圧剤の注射剤なのか不明な場合は、主治医、薬剤師などに問い合わせし確認をとること。
当院の昇圧剤リストがあるとチェックしやすいので、作成するなど工夫をしましょう。
昇圧剤の種類
薬品名 | (商品名) |
---|---|
ミドドリン | (メトリジン) |
アメジニウム | (リズミック)【α、β刺激作用】 |
フェニレフリン | (ネオシネジン)【α刺激作用】 |
エチレフリン | (エホチール)【α、β刺激作用】 |
ドパミン | (イノバン、カタボンHi・Low、カコージン、カコージンD) |
ドブタミン | (ドブトレックス) |
エフェドリン | 【α、β刺激作用】 |
グルカゴン | (グルカゴン) |
ジヒドロエルゴタミン | (ジヒデルゴット) |
ドロキシドパ | (ドプス) |
イソプレナリン | (プロタノールL) |
アドレナリン | (ボスミン)【α>β】 |
ノルアドレナリン | 【α>β、心筋にはβ作用を有する】 |
ブクラデシン | (アクトシン) |
デノパミン | (カルグート)【β1選択性】 |
②患者の状態
ショック状態、低血圧状態、循環虚脱の患者。
例)ショック状態、低血圧状態、循環虚脱状態のいずれでもない患者に対し、昇圧剤の注射を投与した場合は評価出来ません。
*カルテなどにどんな状態だったのかを記録を残し、第三者が見てもわかるようにしなければなりません。
③投与の目的
血圧を上昇させる。といった目的で投与した場合のみ評価をする。
評価NG)昇圧剤に分類できる薬剤であったとしても、利尿などの目的で投与した場合は評価出来ません。
評価の対象日
使用した当日のみを評価し、休薬中は含めない。と留意点に記載ありますので、ワンショットの注射であれば、投与した日だけが評価する。
持続点滴であれば投与していたすべての日について評価する。
投与した薬剤の効果の状況は、評価には無関係。
根拠となる記録
①薬剤、②患者の状態、③投与の目的が、第三者がみてもわかる記録を残すことが望ましい。