アナザースカイの番組だいすき。勇気をもらえますし、旅行に行った気分になれるきゆです。
当院では、出来高病院(非DPC病院)でデータ提出加算(200床未満)に関する業務を行っています。
データ提出加算の業務は、
- DPCデータを作成する。
- コーディング委員会を開催する。
DPCデータを作成するのも大変ですし、もっと大変なのがコーディング委員会。
委員会は本当に頭が痛くなります。。。
適切なコーディングに関するテーマを考えなければならないですし、テーマに沿った資料を作成しなければなりません。
テーマを一から考えるって、どれだけ時間をかけたか。。。(笑)
よし、このテーマをしよう!と決まっても終わりではありません。
テーマを決めた時点で、
- どうやって資料を集める?
- どういった統計がいいのか?
- どのデータを使おうか?
- あるデータを集めるにはどこを見ればよいのか?
という感じで進めていかないと資料が出来上がらないんですよね。
資料作成終えて、委員会を開催。
医師や薬剤師が資料に興味を持ってくれない。。。
うん、そうだよね。
医師が傷病名を付けたから文句言うなって感じだし、薬剤師も私これ関係あるの?的なオーラを出しているし。
このままだと、有益な会議にならないのである対策をしてみたら、無益会議だったのが有益会議に変わることができました。
どんなテーマをやっているの?
ある対策とはなんなのか?
を順に追って説明します。
目次
コーディング委員会に関するテーマ
「 適切なコーディングに関する委員会」を設置し、年2回以上当該委員会を開催すること。
コーディングに関する責任者の他に少なくとも診療部門に所属する医師、薬剤部門に所属する薬剤師及び診療録情報を管理する部門又は診療報酬の請求事務を統括する部門に所属する診療記録管理者を構成員とする。
・年2回以上(*DPC対象病院は年に4回以上開催)
・医師
・薬剤師
・診療情報を管理する部門又は診療報酬の請求事務を総括する部門に所属する診療記録管理者
年に2回以上に関しては、夏と冬に分けて開催しています。それぞれ半年分のデータをまとめて報告・議論するといった形をしています。(本当は毎月開催が望ましいんですが。。。)
厚生労働省通知平成25年7月26日によると、「開催回数」については、最低回数である年2回のみ実施している医療機関が49.2%であったと明らかにされています。
医師・薬剤師を選ぶときは、ポジティブ、情報・統計(数字)が大好き。(欲言えば、権力を持っている人がいいですね笑)
味方になれば、こっちのもんですよ。
味方になってくれると心強い。どこかで助けてくれますし、こうしたほうがいいんじゃないの?と強力アドバイスももらえます。
また、病名に関しては医師が医師に言うことも。
適切なコーディングに関するテーマ
当院で行っているテーマは4つあります。
- Rコード
- 入院の契機となった傷病名について
- 主傷病名について
- 未コード化傷病名について
Rコード
Q:R コードを使用してもよいか。
A:R コードのほとんどは病名ではなく徴候や症状である。通常の診療では、何らかの診断名が確定するという前提であるが、あらゆる事実を調査したが確定に到らなかった、一過性のもので原因が特定できなかった等、R コードを付与するためにはかなり厳しい条件がある。条件については、ICD-10(2013 年版)第 1 巻、第 XVIII 章、751 頁等を確認すること。入院時併存症、入院後発症疾患には使用してよいが、医療資源を最も投入した傷病名 ICD-10 コードに以下のコードを用いてはならない。
・詳細不明の寄生虫症(B89)
・他章に分類される疾患の原因である連鎖球菌及びブドウ球菌(B95)からその他及び詳細不明の感染症(B99)
・心拍の異常(R00)からその他の診断名不明確及び原因不明の死亡(R99)まで(但し、鼻出血(R040)、喀血(R042)、気道のその他の部位からの出血(R048)、気道からの出血、詳細不明(R049)、熱性けいれん(R560)、限局性発汗過多(R610)、全身性発汗過多(R611)、発汗過多、詳細不明(R619)及びブドウ糖負荷試験異常(R730)を除く。)
ざっくり言うと、
Rコードは基本使ったらダメ。(入院時併存症と入院後発症疾患には使用OK)
でも、Rコードの中で使用してもいいコードが下記一覧になります。
- 鼻出血(R040)
- 喀血(R042)
- 気道のその他の部位からの出血(R048)
- 気道からの出血、詳細不明(R049)
- 熱性けいれん(R560)
- 限局性発汗過多(R610)
- 全身性発汗過多(R611)
- 発汗過多、詳細不明(R619)
- ブドウ糖負荷試験異常(R730)
これを理解した上で、当院で使用したRコードをひたすら集めて報告し改善をするようにテーマの一つをしています。
データ提出加算を取り始めたころは、腹痛や不明熱といったRコードだらけで唖然しましたよ。
腹痛なら消化器疾患と考えられるのが第一だと思いますので、入院に至った原因を調べてみるとわかるもんですよね。
生ものにあたったから腹痛。
入院経過や検査結果を見て考えられる病名を付ける。
腹痛→ノロウイルス性腸炎、細菌性腸炎とかを付けてください。疑いでもいいです。というような改善報告。
入院の契機となった傷病名について
入院時に契機傷病と判断されたものを入力する(原則、入院診療計画書に記載された病名と一致する)。又、レセプトの入院契機傷病名と一致させること。
転棟した場合等の子様式1は転棟した時点のものを入力する。
ざっくり言うと、
入院診療計画書に記載された病名と一致しなければなりませんので、その中にRコードがあったら最悪ですよね。。。
これも重要なテーマになりますので、ぜひ改善をしましょう。
主傷病名について
退院時サマリーの主傷病欄に記入された傷病名を入力する。
※ 主傷病は、『保健ケアに関連したエピソードの間に治療又は検査された主要病態である。主要病態とは、主として、患者の治療又は検査に対する必要性にもとづく、保健ケアのエピソードの最後に診断された病態であると定義される。もしそのような病態が多数ある場合には、もっとも医療資源が使われた病態を選択すべきである。もし診断がなされなかった場合は、主要症状又は異常な所見もしくは問題を主要病態として選択すべきである。』(「 ICD-10(2013年版)準拠」第2巻より一部抜粋)
退院時サマリーに大腸癌、胃癌。と書かれていたら絶句。。。手術記録があればすぐ分かります。上行結腸癌、S状結腸癌、胃体部癌とか。
出来高病院は、部位不明・詳細不明コードを多数使用してもペナルティはないのですが、今後の為に改善をした方がいいでしょう。いきなり出来高病院もペナルティするからな!って言われたら。。。
未コード化傷病名
H30年度から提出データ評価加算が新設されました。未コード化傷病名はいわゆるワープロ病名(0000999)
ぜひ、このテーマを取り組んで10%以下になるように進めたほうがいいでしょう。たった20点ですが、ちりもつもれば大きくなります。
当院でもワープロ病名があるので、ワープロ病名をなるべく使用しないように計画をたてています。(10%以上あったのはびっくりしました。。。笑)
こういった4つのテーマをメインとして委員会を進めています。
医師が、真剣に取り組んでくれない。
病名ばかり押し付けると、イヤになります。大腸癌じゃない!上行結腸癌!胃体部癌!もし私が医師だったらげんなりしますね。。。
委員会に興味を持つようにするには、医師や薬剤師にとって一番ほしい情報を提供する。
医師に欲しい情報ありませんか?とアポイントをとる。
- 医師、薬剤師が欲しい情報をまとめて資料を作成する。
資料に興味を持つようになる。
情報を与える。
委員会が好きになる。
たとえば、
- 手術に関してどのくらい利益が出たのか?
- 内科・外科はどのくらい入院患者がいるのか?
という情報を提供すれば、医師は「おー、こういう情報がほしかったんだよ。」とよろこびます。
よろこんでくれたら、こっちのもんです!
あ、委員会ってたのしいじゃん。参加すればほしい情報がもらえる。
参加しないとここでしか情報をもらうことが出来ないから絶対に参加しよう!と行動に繋がっていきます。
これぞ、WIN-WIN関係ですね(笑)
資料の構成
委員会は30分間で終わらせるようにしています。だらだらした会議だけはしたくないので、一つの紙にまとめています。
構成は、
- 医師向け5分間(手術情報に関して)
- 薬剤師向け5分間(薬情報に関して)
- 病名20分間
といった資料を作成して委員会を進めています。
シンプル且つロジカル
すぐに使えるプレゼンテクがたくさんある。
この当記事のまとめ
委員会のテーマが決まらないっていう方は、Rコード、契機病名、主病名、未コード化傷病名に関してのテーマをおすすめするよ。
医師や薬剤師にとっての有益情報を提供すれば喜びますし、委員会に興味をもつようになります。
議事録もちゃんと残しておきましょう。残していなかったら施設基準に引っかかります。