看護必要度Ⅱはどのようにして生まれたか?凄まじいバトルから誕生。

医療現場からは、看護必要度に関して負担軽減を検討してほしい!と要望が出ていた。

 

  • 毎日の測定が、看護師にとって大きな負担。
  • H28年からは手術後の患者を評価するC項目が追加。C項目の定義や意味を覚えなければならない。
  • データ提出加算もHファイルが追加された。
  • 項目を理解するための研修参加も負担。

 

 

看護必要度ってすごく手間がかかる業務ですよね。

 

当院でも、看護必要度のチェック、Hファイルソフトに入力・総括とかですっごく大変でした。(残業が増えたし。(笑))

 

そうそう、DPC調査事務局からHファイル修正してね。という事件ありましたよね。
Hファイルエラーが本当に多すぎて、エラー処理するのも大変だったし。残業覚悟してたもん。笑

 

結局、DPC調査事務局からHファイルは修正しなくていいと通知。これぞ、お騒がせ事件。

 

 

本題に戻ります。

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業務負担軽減方策

そこで、厚生労働省は、「看護必要度割合を、診療報酬の算定状況などから導くことはできるのか?」と提案をした。

「看護必要度評価票に基づく計算方法と、診療報酬請求項目に基づく計算方法との相関などを検証する」方針が固まりました。

 

看護必要度の生み親ともいえる委員は、見直しに強く反対。

看護必要度の生みの親である筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)から、改めて強い批判が出されました。
筒井委員は、▼診療報酬請求データは、事後的な消費データであり、正確性に疑問がある▼看護必要度データは日々のプロセスを明らかにする生産データである—ことから、前者(診療報酬請求データ)の精度を見るために後者(看護必要度データ)で検証することはあるが、逆(看護必要度データの精度を見るために、診療報酬請求データを用いる)はあり得ないと指摘しています。

 

これに対し、牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は「診療報酬請求データの正確性に疑問があるという指摘はおかしい。
看護必要度データにこそ精度に疑問がある。
自院では看護必要度のデータを診療報酬請求データと付け合わせて検証し、それをさらに看護部にフィードバックして、看護必要度の精度向上につなげている」と述べ、筒井委員の指摘に真っ向から反論。さらに、両データの精度を確認するためにも「検証が必要」と強調しています。

メディ・ウォッチより引用

検証開始。

 

ざっくり言うと、看護必要度のA・C項目VSEFファイル(診療報酬項目)との関連をまず見る。B項目はそのまま。

 

ファイ係数(絶対値)が

  • 0.2以下(関連性がない。)
  • 0.2-0.4(少々関連性がある。)
  • 0.4-0.7(まあまあ関連性がある。)
  • 0.7以上(強い関連性がある。)

と見て頂ければ理解できると思います。

A項目関連性

呼吸ケア、心電図モニターの管理、輸血では関連性が高いとわかりますね。
反対に、点滴ライン同時3本以上の管理、救急搬送後の入院は関連性が弱い。

 

A項目の専門的な治療・処置の詳細関連性

抗悪性腫瘍剤の使用、放射線治療では関連性がある。
逆に、抗不整脈剤の使用、免疫抑制剤の管理が弱い。

 

C項目

全体的に関連性があるが、全身麻酔・脊椎麻酔の手術では関連が弱いことが分かります。

 

分布を見てみると、

横軸・・・Hファイル
縦軸・・・EFデータ

このような分布になる。なんだかHファイルとEFデータは関連があるように見えますよね。

こうした結果を踏まえて厚生労働省は、「一定の条件を設定した上で、活用できる可能性が示唆された」と判断。

 

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まとめ

  • 業務負担軽減のためにこういった検証を行っていたんですね。EFファイルデータから導いたものが看護必要度Ⅱ。(業務負担軽減→看護必要度Ⅱと覚えればいいのか。)
  • 看護必要度の評価結果と、EFデータを用いた評価結果には、項目によってバラつきがあるものの、一定程度の重複がある。
  • EFデータに基づいて計算した重症患者割合は、看護必要度の評価票に基づく重症患者割合よりも若干(平均で4.0%)低くなる。

 

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